私そんなこと指示した?

タイプ9

以前の上司がエニアグラムのタイプ9のようでした。ほんわか、のんびり、ぼ~っと、先送り、サンドバッグで部署の防波堤という感じでした。私は「私の2.5倍以上の給料をもらっているんだからもっと仕事してくれよ」と言う思いを抱いておりました。

会議の時間に遅れる

毎週決まった曜日の決まった時刻から会議があるのですが、「部長まだ来てないんだけど」と毎週内線がかかってきました。「あ! 忘れてた」と言って大判の手帳を抱え会議室に向かうべく階段をかけ上るのが毎週の光景でした。悠久の時を生きているからでしょうか。のんびりしています。

私そんなこと指示した?

出荷期限を設け、使用期限は1つに統一した商品がありました。ずっとそれで行っていたのですが、ある時営業から「使用期限を2つにしてほしい」と内線で依頼があり「あ~ いいよ」と二つ返事でOKを出しました。

部長「鯛ぷ~さん 使用期限の確認表欄が2つ出力できるようにしておいてね」
私「え? 出荷期限でコントロールしていた商品ですよね? 同一製造日で使用期限を複数作ると出荷の人が困りますし、ISOの文書も変更しないと行けなくなりますよ。」
部長「いいのいいの じゃぁ変更よろしく」

数ヶ月後
部長「この商品は出荷期限でコントロールしているのに使用期限を2つもあるってどういうこと? この確認表作ったの鯛ぷ~だよね!」
私「これ部長の指示で変更したんですけどねぇ」
部長「え? 私そんな指示した?」
私「いやいや 営業の○○さんに言われてほいほい変更するよう指示したでしょう? 私はそのとき止めましたよ。」
部長「え? そんなこと知らない。私そんなこと言った?」

その場が乗り切れればそれでいい。寝れば忘れる。こんなことばっかり繰り返されていました。

リニューアル

製造から内線で「今日から商品が変わるんだけど、頼んでいた帳票がまだ来ていないんだ。どうなっていますか?」と言われる。しかし誰も聞いていない。

私「その話は誰も聞いていないようなのですが・・・ 誰に依頼かけていたんでしょうか?」
製造「いや 先週くらいに部長に頼んでおいたんだけど」

またやられた。情報ストッパー。インプットは多いけどアウトプットがないんだよ・・・ たしかに生き字引みたいにいろいろ知っているんだけど、こちらが聞かないと引き出せないんだよなぁ。

リコール

製品回収となり電話回線がパンクするくらいとんでもない状況に陥っていました。そんな中、海外ツアーに旅立っていく部長。自分のペースは崩しません。でもこんな人だから私たち下っ端も用事があれば休める雰囲気だったのはよかったかな。

先延ばし

複数のお得意先から同じ内容のクレームが何件も・・・ しかし官能的な内容なので感じる人と感じない人がいるのも事実。部長担当の案件だったけど原因がつかめないまま。

部長が休みのある日、大きなお得意先を抱える営業が「また同じクレームが出たじゃないか! お前らいいかげんにしろよ! どうなっているんだ!」と乗り込んできました。「そろそろやばいんじゃないの~」と人ごとでいた私たちは部長の代わりに怒られる羽目に・・・

部長=名探偵眠りの小五郎、私たち=江戸川コナン、みたいなもんです。結局部長がぼーっとしている間に私たちが動いて事件を解決しなければなりません。

問題を矮小化する、自分のことと感じない、そのうち誰かがなんとかするだろう、といった特徴が出ているなぁと思った出来事でした。サンドバック役をお任せして、初期にパパッとコナン役の人が動いてやってしまうのがうまく行くコツかも? 下々の我々が知らないところで動いてくれているだろうは禁物。たいていの場合、何もしていません。そんなことばかりだったので、私も鍛えられたかもしれませんね。こちらがやらないと仕事が片付かないですから・・・

○○しようよ~

部長職にもかかわらず人を操作するのが嫌みたいです。「○○してくれ」と言われたことがありません。「○○しようよ」とよく言われていました。「はぁ。(ご自分で)されたらいいんじゃないですか?」と返していたのですが、「鯛ぷ~がやってくれ」と言う意味だと理解できたのは、エニアグラムのおかげなのか? 

片付けない

シフト制の会社だったので毎日誰かが出勤している部署でした。休み明けの机の上には、丸めたペーパータオルだったり、お菓子の包み紙だったり、資料だったり、何かが放置されていました。「犯人はおまえだー!」と部長に言えるほど気が強くないので、無言で片付けるはめに・・・ 「この人、障害者なんじゃないか?」と思って検索したらエニアグラムに行き着いたんでした。そうか。エニアグラムを知るきっかけになったのがこのお方だったんだわ。

こんな感じの上司でしたが、私にとって最も長い間上司だった方でした。「これはやってはいけない」とも「それは良いことだからどんどん進めて」とも何も言わない放任状態でした。戸惑うことも多かったのですが、自由に動くことが出来て寛容だったので良かったのかな? 失敗しても防波堤にはなってくれたので、私には合っていたのかも知れませんね。

タイプ9

Posted by 鯛ぷ~